平成23年11月、全国老施協・岡山会議の分科会で「その人らしい最期を、スウィート・ハート・ホームでの取り組み」と題し、実践内容の発表をさせて頂きました。
入所されて14年になる105歳のAさんについて、初めて取り組む「看取り」は不安も多くとても難しい課題のため、スタッフ同士、各部署で毎日のように話し合いました。
お話しすることができず、筆談でコミュニケーションをとっていましたが、やがてそれもできなくなり、「何を望んでいるのか」「本当に僕たちはAさんらしい最期」を提供できているのか?自分だって最期のときにどのようにしたいかわかりません。毎日悩み、考え、話しかけ、Aさんの表情を見つめて、心の中で問いかけ、全力のケアをスタッフ全員で取り組みをしてきました。そのような中、最期ご家族と職員に見守られ息を引きとる瞬間まで、一緒に過ごすことができました。
看取り介護は十人十色です。特養施設での看取りの在り方と最期の場という責任、「本人の望む最期とは」という難しいテーマについて、悩みながら実践した内容を、全国大会という舞台で発表し奨励賞をいただいた結果は、一生懸命取り組んできた自分たちのケアに大きな励みとなりとても嬉しく、スタッフ全員の頑張りに大変感謝をしています。
当時のことを思い出すと感慨深く、胸がいっぱいになりますが、天国のAさんに見てもらえるように住み慣れた3Fに「表彰状」をかざらせて頂いています。 介護副主任 本山将也